カードコラム「和睦の使者」
和睦の使者「相手モンスターからの戦闘ダメージを、全て発動ターンだけ0にする」
死者蘇生、ブラック・ホールなどとともに、EXから現代に至るまで使いつづけられてきた、歴史あるカード。
その効果は、様々なカードが登場した今でもなお重宝するものである。ここでは、最強の防御カードたる「和睦の使者」について考察したい。
攻撃度 | ☆ |
防御度 | ☆☆☆☆☆ |
コンボ性 | ☆☆ |
総合評価 | ☆☆☆ |
長所:チェーン発動可能。クリボーと違い・モンスターを守れる。
短所:生贄召喚サイコショッカーに弱い・モンスターを除去できない。
相性のいいカード:異次元の戦士、スピア・ドラゴン
相性の悪いカード:遺言系モンスター
1・長所
長所はなんといっても、全ての攻撃からダメージを受けないというその効果である。
たかが1ターンと思う人もいるかもしれない。だが、デュエルでは1ターンで決められたり、戦況をひっくり返されたりすることがよくある。
和睦の使者で守った1ターンは、果てしなく大きい1ターンになる可能性が十分にあるのだ。
さらに、相手のサイクロンなどにチェーンして発動することが可能、ということが挙げられる。
これによって相手の除去魔法を消費させ、ミラーフォースなどのチェーン不可罠を除去魔法から守る役目を担うこともできるのだ。
この「チェーン発動可能」という効果は、意外に重要である。
2・短所
短所はほとんどない。だが、唯一の弱点とも言えるのが、生贄召喚によって出されたサイコショッカーである。
こればかりは、ドローフェイズにチェーンしなければ防ぐことができないし、相手の除去魔法へのチェーンを狙っていれば、ドローフェイズ発動はもったいない。
手札に確実にサイコショッカーがいるとわかっているときは、ドローフェイズで発動しておくのが無難かもしれない。
逆に、サイコショッカーが既に墓地にあるときは、蘇生魔法にチェーンできるので、最強の防御罠となる。
3・どう使うか
意外と知られていないが、和睦の使者は当然自分のターンにも発動可能である。
何の意味があるのか、と思われそうだが、相手の強力なモンスター(リボルバードラゴンやデーモンの召喚)に異次元でわざとアタックをかけ、道連れにするときなど、和睦の使者を発動しておけば、戦闘ダメージは0となり、確実な除去が可能となる。
また、ビッグ・シールド・ガードナーすらも無傷で叩くことが可能だ。
また、相殺狙いのときにも、発動しておけば自分のモンスターは守られるので相手だけを死亡させることが可能だ。
キャノン・ソルジャーを場に攻撃表示で出しているときなどは、相殺の対象になりやすいので和睦の使者を伏せておくといい。
反面、モンスターを除去できないという欠点を持つが、こればかりは仕方ない。除去魔法を入れることで対応しよう。
そもそもモンスターを除去できる罠というのは限られており、そのほとんどがチェーン不可罠である。
そう考えると、和睦の使者は十分な性能を持っているといえる。
4・隠れた能力
和睦の使者はまた、手札上でのアドバンテージを稼ぐにも使えるカードだ。
相手がラッシュをかけるために蘇生魔法を使ったり、モンスターを召喚したりして手札を消費したところで発動してやれば、一気に手札差がつき、かなりのアドバンテージを得ることができる。
むろん、次のターンで大型除去魔法を使うなどして形勢を逆転する必要はあるが、1ターンを防ぐというのは、
相手のラッシュを無駄なものにするという意味でも有効なのである。
この辺りに、和睦の使者のコストパフォーマンスの良さが表れている。
5・まとめ
最強ともいえる防御性能を持ちながら、必須化せず、また制限もかからない和睦の使者。
そこには、限りなく0に近い攻撃性のなさが影響していると思われる。
だが、守備を固め、カウンターに転じるというのは戦略の常。
使い方次第では、攻撃への転機となりうるカードである。
仮に和睦が3枚投入されたデッキを相手にするときのわずらわしさを考えれば、このカードの強さがわかるだろう。
使われていやなカードは自分が使え、である。
まずはデッキに1枚入れてみよう。
その使い勝手の良さに、驚くことだろう。
初心者から上級者まで、何も考えなくても使える数少ないカード。
それこそが和睦の使者の歴史を支える所以なのである。