カードコラム「スケープ・ゴート」
スケープ・ゴート
「このカードを発動する場合、このターン内は召喚・反転召喚・特殊召喚できない。自分のフィールド上に「羊トークン」(獣族・地・星1・攻/守0)を守備表示で4つ置く。(生贄召喚のための生贄にはできない)」
攻撃に守備に、間接攻撃にと、様々な場面で強さを発揮する「スケープ・ゴート」。
スタンダードに新たな一石を投じたこのカードの、意外に知られていない面を検証する。
攻撃度 |
☆☆ |
防御度 |
☆☆☆☆ |
コンボ性 |
☆☆☆ |
総合評価 |
☆☆☆ |
長所:サイコショッカー対策になる。守備だけではなく、キャノンや団結と組みあわせた多彩なコンボが可能。
短所:スピアドラゴン、アスラ、剣角獣、パーシアス等に弱い。勅命で止められる。邪魔になるときもある。
相性のいいカード:キャノン・ソルジャー、アマゾネスの射手、団結の力。
相性の悪いカード:キラートマト、巨大ネズミ、ドラゴンフライ、シャインエンジェル、UFOタートル、素早いモモンガ、ジャイアントウィルス、デスハムスター、ゴブリン突撃部隊、王宮の勅命。
出た当初は、かなり強力なカードで、スタンダードにも3枚入れている人もいたが、
今はスピアドラゴンが必須化しているため、前ほどの凶悪さはなくなった。
しかしそれでも、サイコショッカーや八汰烏なども極悪モンスター対策になるため、スタンダードなら1枚程度入れておいてもいいだろう。このカードの基本データを上記でおさらいしたが、スケープ・ゴートをどう使っていくかを検証したい。
1・どう使うか。
まず、スケープ・ゴートをどんな場面で使っていくかを簡単に述べておこう。
羊トークンを4体置くという効果は、当然相手のバトルフェイズ中にも発動可能である。
つまり、場に一瞬にして4体の壁ができるわけであり、これはサイコショッカーでも無効化されないことから、スケープ・ゴートは最強レベルの壁役といえる。
また、4体置けば、残り一つのモンスターゾーンが空いた状態となる。
そこにキャノンソルジャーを召喚し、4体全てを射出すれば、2000もの大ダメージを与えられるのである。
さらに、手札に団結の力があるときは、攻撃のチャンスでもある。
羊トークンのひとつを攻撃表示にして団結の力を装備してやれば、それだけで3200の攻撃力を持つ強力なモンスターの誕生である。無論、空きにモンスターを召喚して、そちらに団結の力をつけてやってもいい。
このように、スケープ・ゴートは防御、攻撃、ダメージ源にと幅広い活躍を見せる。
だが、テキストの「発動したターン内は、召喚、反転召喚、特殊召喚できない」という部分が曲者である。
ココをよく理解していないと、上記のコンボはほとんど使えなくなってしまうのだ。
2・弱点
当然ながら、最強の壁たるスケープ・ゴートにも、弱点は存在する。
まずサイコショッカーには止められないものの、魔法であるため勅命にはあっさりと止められる。
スケープ・ゴートを伏せたからといって、必ずしも攻撃を止められるわけではないのだ。
相手が勅命を伏せていた場合は、返り討ちに遭うことがある。
また、スピア・ドラゴンには要注意だ。
スケープ・ゴートに守備を任せて、モンスターを減らしたデッキなどは、何もできず殴られっぱなしになる危険性もある。
3・相性の悪いカード
スケープ・ゴートは、発動したターン召喚の類がいっさい不可能となる。
そのために、遺言系モンスターとの相性は悪いと言える。
簡単な事例を紹介すると、キラートマトが場にあるとき、スケープを伏せていたとする。
相手がサイクロンなどでスケープを破壊しようとすると、当然チェーンでスケープを発動することになり、そうなるとバトルフェイズでキラートマトを倒されたときに「特殊召喚できない」という制約に引っかかり、キラートマトが無駄死にになってしまうのである。
これは他の遺言系モンスターにも言えることで、遺言系でデッキを構築している人は特に注意したい。
ただし、ウィッチやクリッターは、場に特殊召喚するモンスターではないので相性は悪くない。
ゴブリン突撃部隊も、これ自体は強力なモンスターだが、一度攻撃してしまうと再び起き上がるのに時間がかかるため、羊トークンが逆に邪魔となり、2ターンに1回しか攻撃できないといった事態に陥ってしまいかねない。これらを併用するのは、避けたほうが賢明である。
また、王宮の勅命とも多少相性が悪い。両方を同時に伏せている場合、相手の魔法に対して勅命を発動してしまうと、それ以降双方が魔法使用不可能になってしまうため、スケープ・ゴートが相手の攻撃に対して発動できなくなってしまう。
この2枚を同時に伏せるのは、危険を伴うと言える。その場合は、別の壁モンスターを用意しておいたほうが無難であろう。
魔法カウンターをするなら、ジャマーやドレインを同時に伏せることをオススメする。ただしスケープはチェーンできるため、ジャマーで守るほどではないし、ドレインでは大型除去魔法に対応しきれない場合がある。
4・スケープ・ゴートを使う際のテクニック。
スケープ・ゴートは速攻魔法である。これは、自ターンなら手札からチェーンでき、伏せていれば罠のように使用できる優れた魔法である。
スケープ・ゴートを活かすならば、前述した相性のいいカードを使うためにも、相手ターン「バトルフェイズ」か「エンドフェイズ」で発動させるようにしたい。
これなら、自分のターンで召喚も特殊召喚も自由である。
この「エンドフェイズで発動する」というテクニックは、サイクロンなどでも広く応用できるので、ぜひ覚えてもらいたいテクニックである。
5・まとめ
「アンチスケープ」的なカードが増えてきたとはいえ、まだまだ強力なカードである。
一時は制限がかかるか?とまで言われたカードなので、使い勝手は抜群にいい。
外してしまった人も、これから入れるかどうかを検討しようという人も、これを読んで見解を深めてもらえれば幸いである。