除去魔法あれこれ。

 

 

みなさんはモンスター除去魔法と聞いて何を思い浮かべるでしょうか。

サンダー・ボルト、ブラック・ホール…様々な魔法が思い浮かぶことでしょう。

しかし、それら問答無用に強いカードではなく、補助的な魔法になると、みなさん各々の考えを持ってデッキに投入されているのではないでしょうか。

ここでは、そんな単体除去魔法について、僕が思うところを少しだけ書いてみたいと思います。

 

まず、除去魔法の種類ですが、一般的に使われているものには次の四種類があります。

 

地割れ

死者への手向け

死者への供物

抹殺の使徒

 

 

このうち、抹殺の使徒はほとんどのデッキに1枚入っているかと思われます。もちろんなくてもいいわけですが、相手の裏守備を完全に消滅させるその力は凶悪です。効果の大きさを考えると、これはまた別枠ととらえていいでしょう。

 

今回考察するのは、それ以外の三枚、地割れ、手向け、供物です。

これらは効果こそ、モンスター1体を破壊、ですが、それぞれ違った特性と個性を持っています。では個別に検証していきましょう。

 

「地割れ」

 

長所:ノーコストであること。

短所:対象を指定できない。表側表示のモンスターのみ破壊。

 

この魔法はおそらく三種類の中でもっともメジャーに使われているカードでしょう。なんといっても他の二枚にはないノーコストという長所が光っています。裏にのみ使える使徒同様、表のみに使える地割れといった感じで、対照的な二枚といえるでしょう。

ただし、相手モンスターで一番攻撃力の低いモンスターを破壊することや、当然ながら裏には使えないという短所も持ち合わせており、それが災いすることもあるでしょう。

基本的にはノーコストなので、どんなカードとも相性がよく、バランスの取れた動きを披露してくれるでしょう。

 

「死者への手向け」

 

長所:表側裏側問わず対象を指定して確実に破壊できる。

短所:手札を一枚捨てるというコスト。

 

かつては準必須とまで言われていた時代もあった(?)ほど優秀だった除去魔法。ただ、ハンデス魔法やモンスターが充実したことにより、手札を捨てるというコスト面が強調されて、あまり見かけなくなりました。

しかし、確かに手札を捨てるという効果は痛いものの、効果そのものは三枚の中でもっとも強力です。地割れと違い、対象を確実に指定でき、供物と違い、裏側にも使える。ようは、コストさえどうにかしてしまえば三枚の中では確実にトップの能力を持っているのです。

 

ではコストをどうすれば軽減できるのか、これはもう有名ですね。キラー・スネークを使えばいいのです。

このカードなら事実上コストはゼロ。他にも上級モンスターを捨てたり、マリーやサンダー・ドラゴンと併用するという手もあります。

デッキ構成次第では十分使えるカードといえるでしょう。

 

 

「死者への供物」

 

長所:速攻魔法であること。

短所:ドロースキップというコスト。

 

三枚の中では、もっともデッキに入りにくいカードとして知られています。理由は至極単純明快。ドロースキップするというそのコストです。

八汰烏で殴られるとわかりますが、ドロースキップはとんでもなく痛いコストです。効果も、裏に使えるわけではなく、表側表示限定。いくら相手ターンに発動可能といっても、それだけのメリットでは、デメリットを補いきれません。

しかし、今回のコラムは、このカードにこそスポットライトを当てたいと思って書いたコラムなのです。

 

まず、具体的な使い方ですが、

これはもう、絶対に相手ターンに発動しましょう。

自分のターンで使うなら、バトルフェイズ中に手札から使えること以外はただの通常魔法です。それでは効果、コスト双方の面で地割れや手向けにはるかに及びません。

他の二枚にはない、速攻魔法であるという特性を生かさなければ、この魔法カードの価値はないに等しいと考えていいでしょう。

 

しかし、相手ターンに発動するならコストの少ない破壊輪や落とし穴、サンダー・ブレイクなどのほうが絶対的に優秀です。では、これらのカードと比べて供物が勝っている点はどこでしょうか。

 

それは、何度も言うようですが、罠ではなく速攻魔法である点です。

つまり、現在のデュエルシーンで猛威を振るっているサイコショッカーに無効化されないということが、罠にはない供物だけの利点なのです。

ショッカーに無効化されず、相手ターンに相手を破壊できる速攻魔法は、OCG広しと言えど供物しか存在しません。

つまり、死者への供物は、サイコショッカーに使ってナンボ、のカードなわけです。

 

しかし、スタンダードにはショッカーを破壊できる魔法は限りなくあります。ドロースキップという痛いコストをわざわざ選ばなくても、ならずで破壊したり、転移で奪ったり、手段はいくらでもあるのです。

これらと供物とを比べた時の利点は、やはり相手ターンに発動できるという、罠にも似た奇襲性しかありません。

 

ここまでの点を総合して考えると、

死者への供物は、サイコショッカーを一刻も早く消し去りたいデッキで活躍する、といえるでしょう。

 

次に、コスト面ですが…

 

このドロースキップというコストは痛いのは先ほど述べた通りです。この効果だけは、どんなカードを持ってしても軽減することはできません。

しかし、ドロースキップ自体が痛くないほどに手札を増やしてしまえば、1回や2回のドロースキップは致命傷にならずにすむかもしれないわけです。

 

そこで、死者への供物を入れるデッキには、ありったけのドロー系カードをぶち込みましょう。

それは何も魔法や罠だけではありません。

手札を増やすという意味で、サイバーポッド、メタモルポットのポッドコンビも非常に優秀です。

しかもこれらのモンスターは普通に使えるモンスターですので、汎用性に優れており、供物のフォローでなくとも十分に力を発揮してくれることでしょう。

ドロースキップのコストに手札破壊を加えられるともう目も当てられないので、ポッド系は供物を入れたデッキには必須といえるのかもしれませんね。

 

 

さて、ここまで除去魔法について少しだけ考察してみましたが、みなさん自分のデッキに合った除去魔法は見つかったでしょうか?

無難に地割れを入れるもよし、キラスネなどのカードを生かして手向けにするもよし、奇襲性を買って供物にするもよし、それはみなさんのデッキと相談です。

 

たかが除去魔法の1枚や2枚…と思われるかもしれませんが、上級者同士の戦いでは、こうした細かい部分こそが、勝敗に関わる重要なファクターになるのです。適当ではなく、気を抜かずに構築してみてください。

 

このコラムが少しでもお役に立てれば光栄です。

 

 

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