メサイア的サイドデッキ構築論
サイドデッキ―――――知らない人のために説明しておくと、40枚以上からなるメインデッキとは別に、15枚のサイドデッキを用意しておくのが、大会での定法となっています。
マッチ戦では、1戦目と2戦目の間にメインとサイドから同数のカードの入れ替えが可能であるため、相手のデッキに合わせてデッキをチェンジしたりすることが重要になってくるわけです。
そこで今回は、サイドデッキにどういったカードを入れておくのがいいのか、メサイア的サイドデッキ構築論を述べてみたいと思います。
まずはサイドデッキの目的です。
サイドデッキには、大きく分けて2つの目的があります。
自分のデッキを別の形にチェンジするためのサイドデッキ。
相手のデッキに対抗するカードを入れるためのサイドデッキ。
の、2つです。
このうち主に使用されるのは、相手のデッキに合わせてカードを入れ替えるタイプのサイドデッキです。
実際には両方が混在することになりますが…。
例えば、5月1日の制限変更により、1キルデッキはほぼ死滅しました。
しかし、それ以前は1キルが非常に驚異的だっため、相手が1キルデッキだったときに備えて、処刑人−マキュラや王宮のお触れを数枚サイドに入れておくことが定石だったのです。
現在では、1キル対策はしなくてもいい環境と言えるでしょうが、油断はしないにこしたことはありません。
では、具体的に見ていきましょう。
例に挙げるのは、スタンダードデッキです。
例えばこういった形のスタンダードデッキがあったとします。
モンスター×16
ショッカー1/パーシアス1/ゴブ突1/ヴォルス2/スピア1/ウィッチ1/クリッター2/キャノン1/異次元の戦士1/ならず者1/トマト2/リリー1/キラスネ1
魔法×18
サンボル1/ブラホ1/ハーピィ1/大嵐1/サイクロン2/壷1/施し2/蘇生1/埋葬1/心1/強奪1/護封剣1/番兵1/使徒1/強制転移1/スケープ・ゴート1
罠×6
勅命1/リビング1/破壊輪1/ミラフォ1/筒1/激流葬1
このサイドデッキはどう作るべきでしょうか。
僕なら…
サイドデッキ×15
押収1/双子悪魔1/ファイバーポッド1/サイバーポッド1/クリボー1/精霊の鏡2/使徒1/サイクロン1/停戦協定1/ヴァンパイアロード1/お触れ2/八汰烏1/魂を削る死霊1
といった感じにしてみます。
ここで注意することは、使わないカードは入れない、ということです。
当たり前じゃん!って言われそうですが、意外と使わないカードを入れている人は多いのです。
「使うかどうかわからないけど、使うかもしれないから入れておこう」ぐらいで入れているカードは、まず使いません。
自分のデッキの弱点を的確に判断し、使う可能性が多いカードだけに絞るべきです。では、それぞれにどんな意味があるか説明しましょう。
押収1/双子悪魔1/八汰烏1/魂を削る死霊1
これらは、スタンダードデッキからハンデスデッキにチェンジするためのデッキです。スタンダードからハンデスという流れは、非常に簡単に、少ないカードの入れ替えで可能なため、かなり一般的に行われているタイプです。マッチ戦で、次の勝負が必ず先攻だとわかっている時にハンデスにチェンジするとかなり有効です。
ファイバーポッド1/サイバーポッド1/精霊の鏡2/ヴァンパイアロード1
これらは、ハンデスデッキに対抗して入れるべきカードです。先ほども述べた通り、スタンダードからハンデスというチェンジの形はかなり多く使われているので、当然相手が使ってくる確率もかなり高いはずです。
ということは、これらのカードでしっかり対策をしておかないと、あっという間に手札を落とされて倒される可能性が高いといえるのです。
ハンデスは今もっとも使われているデッキのひとつであり、特にスタンダードはハンデスに弱いため、しっかりと対策しておきましょう。逆に上記のカードを入れたデッキには、いかにハンデスといえどもてこずるはずでしょう。
抹殺の使徒1/サイクロン1/停戦協定1/ファイバーポッド1
制限改訂により死滅したと言われるデッキ破壊ですが、太陽の書などの強力なカードもあり、まだまだ油断はできません。「使う人はいないだろう」と誰もが思っているデッキを使ってくる人は意外と多いものです。
というわけで、これらのカードを入れ、リバースモンスターにしっかりと対抗しましょう。
お触れ2/サイクロン1/ヴァンパイアロード1
これは罠デッキに対抗するためのカードです。制限改訂で大嵐が制限となったため、ショッカーがあるといえど罠デッキはかなりやっかいなデッキになりました。持久戦に持ち込まれると万能なスタンダードといえど苦戦は免れません。
お触れ2とサイクロンフルで万全の態勢を敷き、さらに罠に強い耐性があるヴァンパイアロードでダメ押ししましょう。パーシアスと入れ替えることで、また違った形のスタンダードに変更できるでしょう。
サイバーポッド1/クリボー1
強力な上級モンスターや、デビルフランケンによる瞬殺を狙ってくるデッキも見逃せません。特にデビルフランケンで究極竜を呼び出すデッキは、巨大化の制限解除とともに増加しています。スタンダードも守備の弱点をつかれると非常に脆い面がありますので、これらのカードでしっかりとガードしましょう。
サイクロン1
サイクロンをフルにすることにより、蜃気楼デッキに対抗することができます。ただ、蜃気楼デッキ自体対策をし辛いデッキなので、焼け石に水かもしれませんが…。
どうでしょうか。こうしてみると、一つのカードが幾つかの役割を担っているということがわかると思います。こうしたカードが、本当に使われる可能性があるカードといえるのです。
ただ、上記のサイドデッキはほんの一例ですし、例えば2002年のアジアチャンピオンシップでヴァンパイアロードが流行るようならロストなども面白いかもしれません。
このように、流行を考慮してサイドデッキを構築することも必要なのです。
今回、一例としてサイドデッキを挙げてみましたが、いかがだったでしょうか。これはあくまで僕の構築論なので、これを参考にみなさんもサイドデッキを作ってみてください。
僕の構築論が少しでも役に立てば幸いです。