新型スタンダード理論

 

1/1から施行された新制限、さらに増え続ける新カードの登場によって、様々なタイプのデッキが増えた。

それにより、もはや従来のスタンダードでは、「スタンダード」としての位置を守ることが困難になりつつある。

そこで今回は、従来のスタンダードをベースに、新制限に対応したスタンダードに入るべき新たなカードを紹介したいと思う。

 

1・ハンデスの強化に伴う改良

八汰烏の登場により、ハンデスはさらに凶悪化した。モンスターが手札にない状態で殴られると、何もできないまま死んでしまうという恐ろしい戦法である。

このカードの登場により、ハンデスの攻撃力不足はかなり解消された。

運が悪ければ数ターンで勝負がついてしまうだろう。そこで、スタンダードの宿敵ともいうべきハンデスに対抗するため、以下のカードの投入をオススメする。

 

ファイバーポッド

言うまでもないが、新たに登場したポッド。墓地のカードを含め、全てのカードをデッキに戻して5ドローするため、手札を完全にリセットできる。

相手に双子等を使われたら、一旦このカードで態勢を立て直すのも手かもしれない。

 

お注射天使リリー

☆3でありながら、ブルーアイズさえ倒す力を秘めたモンスター。

ハンデスはLPコストが大きいため、このカードが入ることは滅多にない。その逆をついてこのカードを投入しておけば、ハンデスに手札を削られる前に一気に攻めることも可能だ。

序盤にLPを削っておけば、ハンデスは恐くない。LPに余裕があるスタンダードだからこそ許された戦術である。

 

2・上級の台頭

新シリーズでは、上級モンスターの台頭が目ざましい。代表としては、天空騎士パーシアス、レッサー・デーモン・ハ・デス等である。

これらは、あるいはそれまでのスタンダードで必須とされていたサイコショッカーを上回る性能すら秘めているため、上級というマイナスを差し引いてもデッキに投入したいところである。しかし、上級モンスターは生け贄召喚が必要であり、さらに罠も充実してきたことを考えると、サイコ・ショッカーですら、生け贄召喚したいところだ。

そこで、確実に上級モンスターを召喚するため、以下のカードの投入をオススメする。

 

ドル・ドラ

☆3ながら攻撃力1500という、アタッカーとしての条件を備えた優秀なモンスター。だが、このモンスターの真価は、「次のターン、確実な生け贄になる」というところにある。

これにより、上級モンスター召喚の機会はぐっと増えるだろう。もちろんそれ以外にも、様々な使い道がある優秀なモンスターだ。

 

3・新たなる上級モンスター

今まで上級モンスターはサイコ・ショッカー1体で十分であった。しかし、上記のような変化に伴い、優秀な上級モンスターが増えてきたこともあって、最近ではサイコ・ショッカー+αという形が流行り出している。

そこで、デッキに入れる2体目の上級モンスター候補を紹介しよう。

 

冥界の魔王 ハ・デス

1体の生け贄で出せるため、ドル・ドラとの相性もいい。

効果モンスターを封じるというその能力は、サイコ・ショッカーすら上回るプレッシャーを相手に与えるだろう。サイコ・ショッカーと同時に場に出ればまさに無敵の布陣である。

しかし、反面、蘇生できない、ウィッチでサーチできない、などの欠点も目に付く。使いこなせば最強だが、使いこなすのは難しい。プレイヤーとしての腕が試されるモンスターである。

 

レッサー・デーモン

ハ・デスに近い能力を持つが、こちらは倒したモンスターを全て除外する、いわば永続異次元モンスターである。

これがどれほど強いかは、実際に使ってみればわかるだろう。現在のデュエルはウィッチ、キラートマトをはじめとする遺言系モンスターがデッキの主力となる場合が多いため、これ1体を出しておくだけで、かなりのアドバンテージを稼げるのだ。

ただし、2100という中途半端な攻撃力のため、ゴブリンなどに殴り殺される場合も多い。それはプレイングでカバーするしかない。

 

天空騎士パーシアス

攻撃力1900ながら、貫通&ダメージ時に1ドローという優れた能力を持ったモンスター。

相手を追い詰めた時に出せば、相手は裏守備を出すことさえ許されず、窮地に追い込まれていくことだろう。

大ダメージを与えるというよりは、ほぼ確実に発生するであろうドロー効果のほうを期待したいため、他モンスターのサポート役に使うといい。

 

4・キラスネ制限解除における影響

キラスネが制限解除されたことで、少なからず動揺しているデュエリストも多いと思うが、実はキラスネを3枚入れることができるデッキというのは、意外に少ない。

キラスネに制限がかかった当時と比べ、様々なカードが登場し、混戦模様になってきた現在では、スタンダードにキラスネを3枚入れる余裕がないのだ。

もしキラスネを3枚入れるなら、苦渋、手向け、ジャマー等を必須とした、新たな「キラスネデッキ」とでも言うべきデッキの誕生なのかもしれない。

個人的には、スタンダードには1〜2枚で十分である。

その場合は、今まで通り手札にコストがかかる手向けやジャマーを入れるよりは、地割れなどで代用したほうがいいだろう。

苦渋がくればいいが、制限がそうそう都合よく手札にくることは期待できないからだ。

ただし、2枚入れる場合は、手向けとジャマーがそれぞれ1枚ずつぐらいはあってもいいかもしれない。

 

5・モンスター除去における革命

これまで、単体のモンスター除去といえば、地割れ、手向け、供物、抹殺の使徒の4枚がポピュラーであり、ここから数枚を選んでデッキに入れるのが、従来のスタンダードの姿であった。

しかし、現在モンスター除去には革命とも言える動きが起こっている。

それが、ならず者傭兵部隊と、強制転移の2枚である。

 

ならず者傭兵部隊

コラムでも述べたが、ならず者傭兵部隊の最大の特徴は、「モンスターである」ということである。

召喚の機会を失うのは痛いが、墓地にいても再利用可能であり、遺言状⇒リリー召喚ダイレクトという強力なコンボも可能である。また、勅命で止めることができないのも大きい。

モンスターならではの利点と、欠点を併せ持った除去モンスター。使いこなせば、新たなるスタンダードにおける除去のエースになれるだろう。

 

強制転移

強い割に制限がかからなかったが、スタンダードにはさすがに3枚は入らない。だが、その単体除去(正確には奪う)効果は目を見張るものがある。

キラスネと交換するもよし、スピリットや羊トークンと交換するもよし、相手の場にモンスターが1体だけという場面では、強奪すら上回る強さを発揮する。

ただ、相手の遺言系には比較的弱く、裏守備の場合は奪っても表示形式不可能なため、ラッシュをかけづらい。

だが、地割れ、強奪と似たような効果を持つため、これらの代用としては時としてかなり優秀である。1枚は入れておいて損はないだろう。

 

6・まとめ

ここに挙げたカードは、ほんの一部である。これからスタンダードは、より複雑化の一途を辿ることになるだろう。

ハンデスの強化、制限されなかったエクゾ、明確なコンセプトを持たないスタンダードの弱体化を防ぐには、新登場したカードをどんどん投入していくのが一番だ。

これからは「スタンダード」という枠組みにとらわれない、各個人の「マイ・スタンダード」が活躍する時代なのかもしれない。

 

 

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