カードコラム「装備カード」
装備カード。それはモンスターの攻撃力を上げ、相手のLPを少しでも削ることを主要な目的にしたカードである。ここでは、その代表的なカードである「団結の力」「魔導師の力」「デーモンの斧」について述べたいと思う。
まずはカードの内容をおさらいしておこう。
団結の力
「自分のコントロールする表側表示モンスター1体につき、装備モンスターの攻撃力と守備力を800ポイントアップする。」
攻撃度 | ★★★★★ |
防御度 | ★★ |
コンボ性 | ★★★ |
総合評価 | ★★★ |
魔導師の力
「自分の魔法・罠ゾーンのカード1枚につき、装備モンスターの攻撃力と守備力を500ポイントアップする。」
攻撃度 | ★★★★ |
防御度 | ★★ |
コンボ性 | ★★★ |
総合評価 | ★★ |
デーモンの斧
「装備したモンスターの攻撃力は1000ポイントアップ!このカードがフィールドから墓地に送られた時、モンスター1体を生け贄に捧げればデッキの一番上に戻る。」
攻撃度 | ★★★★ |
防御度 | ★ |
コンボ性 | ★★ |
総合評価 | ★★ |
1・それぞれの特徴
団結の力、魔導師の力、デーモンの斧、それぞれ異なる特徴を秘めた装備カードである。
簡単に、それぞれの特性を見ていこう。
団結の力…モンスター1体につき800。つまり、装備するだけで800ポイントは確実に上がることになる。
さらに、他のモンスターがいれば、それだけでデーモンの斧を越える装備カードとなる。制限は妥当であろう。
魔導師の力…魔法・罠ゾーンのカード1枚つき500アップ。つまり、このカードだけで500アップ。
フィールド魔法も含まれるため、最大3000もの攻撃力アップが見込める。
デーモンの斧…この3枚では唯一制限がかかっていないため、3枚投入が可能。
どんな状況でも1000ポイントアップという安定した攻撃力強化が魅力。
こう見ていくと、それぞれがそれぞれにおもしろい効果を持っていることがわかる。これらを有効に活かすためには、ただむやみやたらにデッキに入れればいいというものではない。デッキ構造としっかり相談して投入する必要がある。
では、それぞれのカードと相性のいいカード。相性のいいデッキを検証していこう。
2・どんなデッキに入れるべきか
団結の力
まず、相性のいいカードを挙げていこう。モンスター1体につき800アップであるから、自分の場をモンスターで埋めれば埋めるほど攻撃力は上がっていく。
つまり、モンスターを特殊召喚できるカードと、相性がいいということになるのだ。
すなわち、必須カードを除くと…
早すぎた埋葬、精霊系モンスター、遺言状、切り込み隊長、サイバーポッド、等である。
特に早すぎた埋葬は、多くのデッキに1〜2枚投入されるカードである。
団結の力を入れるなら、これらのカードを合わせて使えるデッキが望ましい。すなわち、
スタンダードや、展開量の大きい地属性デッキなどである。
また、カードコラム「スケープ・ゴート」でも述べたが、モンスターを一気に4体召喚するスケープ・ゴートとの相性も抜群である。相手ターンのエンド時に発動してやれば、自分のターンで表示変更できるため、団結を有効に活かせる。
スケープも、多くのデッキに入るカードなので、やはり団結の力は3枚の中で最も気軽に投入できるカード、ということになる。
魔導師の力
魔法・罠ゾーンにあるカード1枚につき攻撃力が上がっていくということは、魔法・罠ゾーンに残るカードや、伏せカードと相性がいいことになる。となると…
早すぎた埋葬、他の装備カード、グラビティバインド、光の護封剣、その他の永続系魔法&罠、等ということになる。
これを見ると、永続系のカード。つまり、場をコントロールできるカードとの相性がいいことになる。
また、護封剣やグラビティのような、守備的なカードとも相性がいい。
よって、投入すべきデッキタイプは、ダイレクト7号デッキやバインド隼デッキのように、場をコントロールしつつ、相手を攻撃していく守備的なデッキであることがわかるだろう。
デーモンの斧
上記したふたつのカードと違い、場の状況に影響されない。また、3枚投入することが可能である。
3枚投入できる利点は何か。それは単純に「引きやすい」ということである。最初の手札に入っていることも少なくないため、積極的に攻撃力を上げて攻撃することが可能だ。
ちなみに数少ないドローのチャンスを失いたくはないので、もうひとつのモンスターを生け贄に〜という効果は、よっぽどのことがない限り無視していい。
相性のいいカードは特にないが、手札が心配なため、サイバーポッドなどで手札補充したいところではある。
入れるべきデッキであるが、やはりダイレクト7号デッキや、バインド隼デッキなどに、魔導師の力の補助として入れるべきであろう。
3・注意すべき点
装備カードは、決まれば強力だが、実際にはスタンダードでこれらを見かけることがあまりない。
それは、まず第一に「除去されてしまえば同じ」という弱点のためである。
現在のスタンダードは、伏せ除去系が多いのが当然であり、キラートマトなどのやっかいな遺言系モンスターも多い。
しかも、装備カードをつけて攻撃するよりは、モンスターを除去して攻撃するほうが効率がいいのである。
(デーモンの斧をつけるとダメージは1000アップ。しかし除去してから攻撃すると、例えばモンスターがウィッチでも単純計算でダメージは1100アップになる)
また、手札のアドバンテージが重要なこのゲームにおいて、装備カードをつけて攻撃するということは必ずしも得策とはいえない。
例えば…
デーモンの斧をヂェミナイ・エルフにつけて攻撃する。⇒カード2枚消費
それを相手は地割れで除去する。⇒カード1枚消費
ということである。
装備カードをつけたからといって、除去魔法の前では無力。
勅命で止めれば装備カードの意味はなくなる(しかも勅命は制限のため、頼りきるのは危険)。この辺りの兼ね合いは非常に難しい。
4・プレイングから検証する
では、どのように戦うべきなのか。
これはデッキによっても多少違うが、僕がオススメする装備カードの使い方は次の2点である。
○ フィニッシャーとして使う。
○ 手札が少ないときに使う。
まず、フィニッシャーであるが、これはつまり”とどめ”ということである。
フィニッシャーとして有名なカードは、破壊輪、サイコショッカー、キャノンソルジャーの強力なカードであるが、これらと同じ分類として装備カードを使うという方法である。
例えば、サイポで増えた手札により、相手を追い詰めるものの、仕留めきれないということはないだろうか。
スタンダードを例に挙げると、フィニッシュする時には、埋葬や蘇生などでモンスター数を増やして一気にアタックするというのが定石である。
その時、もう少しというところでギリギリ倒せないという事態は、実は結構多い。
その次のターンで逆転され、悔しい思いをした人もいるのではないだろうか。
そんなときこそ、装備カードの出番である。
スタンダードなら団結の力。バインドデッキなら魔導師の力。というように、たとえ1ターンでも、爆発的に攻撃力を高めることができるカードを投入しておけば、いざというときに役立つだろう。
また、手札が少ない時、特に終盤には、手札が少なく、除去魔法も底を尽きているということがよくある。
ミラーフォースと同じ理屈だが、そんなときにデーモンの斧でもつけて1000ポイントアップしておけば、純粋な力比べで負けることはほとんどなくなり、有利にデュエルを進めることができるのである。
このような方法で使えば、装備カードはいざという時の切り札的存在になり、これがあるだけで勝ちを早めることも可能である。
また、バインドデッキや7号ダイレクトデッキにおいて装備カードは最重要であるため、このようなデッキを使う場合は、制限カードである団結の力や魔導師の力の補助としてデーモンの斧を投入すると良い。
スタンダードではそれほど力を発揮できない魔導師や斧も、7号や隼の騎士に装備すれば恐ろしい威力を発揮するカードとなる。
5・まとめ
結論を述べよう。
現在のデュエル状況では、
スタンダードに入れるなら団結の力。
専用の特殊デッキに入れるなら魔導師の力。
それら制限装備カードの補助として使うならデーモンの斧。
ということになるだろうか。
なお、これらはあくまで管理人の私見であるため、やはり実際には各々がデュエルの中で調整していってほしい。