カードコラム「防御罠(破壊輪・ミラーフォース・魔法の筒)編」
3大防御罠とも言える、破壊輪、聖なるバリア−ミラーフォース−、魔法の筒。1/1に破壊輪が制限となったことで、この3枚はそれぞれ同等の扱いを受けることになった。
何を入れ、何を狙うべきなのか。ここでは各カードコラムとして、3枚のカードを比較してみたい。
まずは各カードのデータを。
破壊輪
「フィールド上の表側表示モンスター1体を破壊し、お互いにその攻撃力分のライフポイントダメージを受ける。」
攻撃度 | ☆☆☆☆ |
防御度 | ☆☆☆ |
コンボ性 | ☆☆☆ |
総合評価 | ☆☆☆☆☆ |
長所:除去とダメージを同時に行える・チェーン発動が可能
短所:自分もダメージを受ける
相性のいいカード:黒き森のウィッチ・クリッター
相性の悪いカード:いたずら好きな双子悪魔・押収・神の宣告・盗賊の七つ道具・早すぎた埋葬・サイコショッカー
聖なるバリア−ミラーフォース−
「相手がモンスターで攻撃した時、相手の攻撃表示のモンスターを全て破壊する。」
攻撃度 | ☆☆☆☆☆ |
防御度 | ☆☆☆☆ |
コンボ性 | ☆ |
総合評価 | ☆☆☆ |
長所:攻撃表示のモンスターを「全て」破壊可能
短所:除去魔法等にチェーン発動できない
相性のいいカード:特になし
相性の悪いカード:大嵐・サイコショッカー
魔法の筒
「相手モンスター1体の攻撃を無効にし、相手のライフポイントにそのモンスターの攻撃力分のダメージを与える。」
攻撃度 | ☆☆☆ |
防御度 | ☆☆ |
コンボ性 | ☆ |
総合評価 | ☆☆☆ |
長所:相手にだけダメージを与えることができる
短所:除去ができない・除去魔法等にチェーン発動できない
相性のいいカード:特になし
相性の悪いカード:大嵐・サイコショッカー
カードの基本データはわかっていただけただろうか。
では、検証に移ろう。
1・使いやすさ
全てに制限がかかっているというこの3枚だが、その効果はそれぞれ微妙に違う。
まず、使いやすさという点から見れば、間違いなくトップは破壊輪である。これは、相手の除去魔法にチェーンできるという特性を持っているからである。
今まで制限がかからなかったのが不思議なぐらい強力なカードだが、その強力さは、ひとえにこの「チェーン可能」という効果によるものが大きい。
効果だけでいうなら、ミラーフォースの強さは目を見張るものがある。終盤にきてのミラーフォースは、まさに絶大な威力を持つ。
だが、あくまで使いやすさという点からすると、破壊輪の右に出る罠はないのである。
2・使いどころを計算する
デュエルでの使いどころであるが、これは各罠によってかなり違う。
まず破壊輪であるが、基本的には相手の場に表表示モンスターが存在するときに伏せるべきであろう。
なぜなら、せっかくチェーン発動が可能であるのに、相手の場にモンスターが存在しないときに伏せ、除去魔法を喰らっては発動できず、その特性が活かせない。
相手の場にモンスターが存在する時に、除去として使うのが理想である。
もうひとつの使い方は、とどめ用として使う方法である。
終盤に引いた破壊輪は、サイコショッカーがいる場合を除いて、とどめに最適なカードである。フィニッシャーと呼んでもいい。
自分のモンスターを除去するなり、相手のモンスターに発動するなりして、LPを削り、とどめを刺すのだ。
ただし、当然ではあるが、自分が相手よりもLPが多いときに使用する必要がある。
ミラーフォースは、終盤になると絶大な威力を発揮する、一撃必殺の罠である。
相手がラッシュをかけるためにモンスターをどれだけ呼び出そうが、攻撃表示である限り引っかかる。
ダメージこそ与えられないものの、終盤はお互いLPが少なくなっている場合が多く、破壊輪では自分も危険な場合が多々としてある。
そんなときはミラーフォースを伏せておこう。サイコショッカーが最大の弱点だが、サイコが出ない限りはかなりの確率で相手の攻撃を止めることができる。終盤はお互い、除去魔法が尽きている場合が多いからだ。
魔法の筒は、基本的な考え方はミラーフォースと同じ使い方をする。チェーン不可というリスクを背負うために、序盤で伏せてもあっさり除去されることが少なくない。だが、LPがお互い減ってきているデュエル終盤なら、このカード一枚でデュエルに勝利できることもある。
やはり終盤になると除去魔法が尽きている場合が多いので、安心して伏せられるという利点もある。
3・対象の優先順位
では、どのようなモンスターに対して発動するべきであろうか。
各罠の発動タイミングであるが、
破壊輪、ミラーフォースの弱点は、黒き森のウィッチorクリッターである。
破壊輪で除去してもモンスターをサーチされ、ミラーフォースではダメージを与えることさえできない。
ウィッチやクリッターは使う側からしてみれば、除去されてもまったく痛くないモンスターなので、これらに破壊輪やミラーフォースを使うのはあまり得策ではないことになる。
ウィッチそのものがかなり優秀なモンスターなので贅沢は言えないが、あえて使うなら筒がいいかもしれない。ただし、これもたいしたダメージを与えられない上、自分のターンで異次元などを出せないならあまり意味がない。
ウィッチ相手には、この3大罠もさしたる効果を得られないのである。
まず、破壊輪で真っ先に対象にすべきは、キラートマトや素早いモモンガなどの遺言系(ウィッチ除く)モンスターであり、または攻撃力の高いゴブリン突撃部隊や、サイコ以外の上級モンスターである。
スタンダードデッキであれば、除去はかなり大事なウエイトを占めている。破壊輪はどんなモンスターでも、ダメージのおまけつきでほぼ確実に破壊できるので、直接攻撃では倒しにくい遺言系モンスターや強力なモンスターを狙って破壊していくのが賢明だろう。
そしてミラーフォースと魔法の筒であるが、チェーン不可ということを考えると、発動できる時に発動しておくべきである。
先程、ウィッチやクリッターにはなるべく発動しないほうがいいと述べたが、実際のデュエルでは油断するとすぐ除去されてしまうので、そんな悠長なことを言っている余裕はない。
守備に自信があるならともかく、発動できるタイミングが限られることを考えると、発動できる数少ないチャンスは基本的に活かすべきである。
それが嫌なら、勝負どころまで手札に温存しておくといいだろう。
ただ、相手の手札がわからない以上、その辺は臨機応変に対処すべきある。
4・デッキに何枚入れるべきか
この3つの罠は効果は大きいが、特にミラーフォースと魔法の筒は非常に除去されやすい。
しかも、僕の経験上言わせてもらうと、序盤にこの2枚をくらっても、手札さえあれば立て直しがきくため、それほど痛くない。よって、デッキに入れる数には細心の注意を払うべきある。
まず破壊輪であるが、スタンダードであればほぼ必須である。また、スタンダードから派生するハンデスや属性デッキなどでも、その効果の大きさから必須化されることが多い。
特に、制限がかかってしまったため、1枚か2枚で悩む必要もなくなったので、安心して投入して構わない。
ハンデスだけは、LPのコストがあるため、他のカードとの兼ね合いが必要となるが。
問題はミラーフォースと魔法の筒である。
一応ここでは、除去魔法(モンスター)が充実しているなら筒を、それほどモンスター除去系カードを入れてないならミラーフォースをオススメしておく。
だがしかし、3枚とも入れるというのも別に構わない。破壊輪が制限される前は、破壊輪2と何か1枚という構成がよく見られたため、破壊輪1枚の代わりになるカードとしてミラフォか筒を入れるというのは、十分に考えられる。
だが、それはやはり自分のデッキ構成、プレイングとよく相談すべきであろう。
自分で使いやすいと思う罠を入れることが、プレイングの向上にもつながる。
他人になんと言われようと、結局は自分のデッキであるのだから。
5・まとめ
3大防御罠ともいえるカードを検証してきたが、ひとつ訂正したい。
防御ではなく、3大攻撃罠とでも言うべき罠であった。
実際にデュエルをすればわかるが、これらはデュエルにおいて、非常に大きなウエイトを占めることが多い。
破壊輪の制限化で、確実に罠の基本構成は揺らいだ。ひとつ空いたスペースを何で埋めるか。
多くのデュエリストが試行錯誤しているだろう。
デッキ構築において、この内容を少しでも思い出していただけたら幸いである。