「メサイアが斬る!」


10月29日

 

多くの決闘者から忘れられて久しい「突進」ですが、こいつは使えないのだろうかとふと思いました。

昔、まだ未熟だった頃なんですが、よく弟に突進を発動されて負けた覚えがあります。

つまり、確かに僕たちのデュエルにおいて突進は”使える”魔法だったわけです。

 

なぜ突進が使えるのかというと、

第一に、速攻魔法であるため攻撃へのカウンターとして使える。

第二に、ショッカーが存在していても使えるため、対ショッカーへの切り札的存在として使える。

第三に、速攻魔法なので自ターンならば、手札から発動、及びダメージステップ発動が可能(勅命カウンターされない)。

 

という三点が挙げられると思います。こう見ると結構優秀だとは思いませんか?

700アップという効果は、とどめを刺すにはやや心もとない数値ですが、反撃に使うには十分な数値といえます。

最近のデュエルシーンは、例えば1400モンスターを1900モンスターで殴ったり、1900モンスターをヴァンパイアロードで殴って除去したりという、ダメージよりも手札や場の状況を重視する傾向が強くなってきています。つまり、攻撃力の数値を気にするのではなく、とりあえず倒すことが重要なのであり、それによってアドバンテージを取っていくことが重要だということです。

 

現在のデュエルシーンでは、意外と、700以上攻撃力の離れたモンスターで殴られることは少ないということがいえると思います(例えばトマトをロードで殴られても差は600)。

そうなると、突進は相手のモン除去に一役買うため、それだけでも1:1の交換。ましてや相手のターンに発動すれば、相手は思わぬ反撃に遭って面食らい、ペースを乱してしまうかもしれません。

何より、流行のロードメタにもなるところが大きいといえます。

 

さて、あなたもデッキに1〜2枚突進を仕込んでみてはいかがでしょうか。そしてカイクウなどを場に出し、さあ殴ってくれと言わんばかりにちらつかせてみましょう。

戦闘で除去できるなら地割れも使わない時代ですから、相手はまんまとあなたの突進に引っかかってくれるかもしれませんよ。

 

9月19日

 

第8回「1900モンスター」

 

新シリーズが間もなく発売です。もうネット以外ではカードに触ってもいない状態ですので、買うかどうかはわかりません。

欲しいっちゃ欲しいですが、最近忙しいですし、買わないかな〜とか思っています。買うとすれば必須クラスのカードが出れば、ですが、コナミさんも学習したのか、もうサンボル級のカードが出ることはないでしょう。

 

ところで、今回のテーマである1900モンスターですが、これはいわゆるブラッド・ヴォルス、ヂェミナイ・エルフ、ニュートなどをはじめとする攻撃力1900のモンスター群のことです。

これらはアタッカー兼モンスター除去として、これまで非常に重要な役割を果たしてきました。

☆4ではゴブリン突撃部隊やゾンバイアに倒されますが、デメリットのないアタッカーとしては1900という攻撃力は最高クラスです。

 

別にそれにケチをつけようというのではありません。

今回新シリーズで、これまで貴重な存在だった攻撃力1900がゴロゴロ出るという話を耳にしましたので、語ってみようかと思った次第です。

 

さて、新シリーズではわかっているだけでも2種類の1900モンスターが出ます。

それぞれ闇属性と風属性(の、はず)モンスターなのですが、闇には既にヴォルスがおり、風にはニュートがいるわけですね。

しかしニュートは制限ですし、ヴォルス3枚は持ってないという人も多いでしょう。そういう意味では、より一般的になった1900モンスターの登場は嬉しい限りといえそうです。

 

ところがどっこい、今回の1900モンスター、ちょっとした弱点があるのです。

守備力が1500を上回っているため、サーチできない。というのがそれです。

 

あのハ・デスでさえ、サーチできないという点が最大のネックとなって一般的には普及しませんでした。

ウィッチサーチには、それほどまでに重要な意味があるわけなんですね。

 

じゃあ今回の1900モンスターは使えないのか!と言われますと、今までの僕なら「使えませーん」と言ってたかもしれません。

しかしです、最近思うのですが…

1900モンスターに限ってはサーチできなくてもいいのではないか?

ということを提言したいと思います。

これはデッキ、相手のデッキ、プレイング、そのときの状況など、非常に多くの要素が絡んできますので、ここで語りつくせるほど単純なことではないのですが、

どうも最近、ウィッチで1900モンスターをサーチすることが少なくなってきたような気がするのです。

もちろんかつての制限変更によるウィッチ制限化も見逃せないポイントではありますが、それだけではありません。

 

やはり、奪われると痛い1900モンスターに、常に不安を抱えて戦っているからだと思います。

そのため、ウィッチでサーチするとなると、よっぽど極端な場面をのぞいて、トマトなどの遺言系であったり、ザルーグなどの効果つきモンスターなどを、状況に応じてサーチすることが多いわけですね。ショッカーは言うまでもないですが。

 

1枚しかないウィッチを有効活用するために、つい1900モンスターを飛ばしてしまうことがある昨今、1900モンスターは特にサーチできなくてもいいのではないか。むしろ、サーチする暇はないのではないか、とさえ思うのです。

もちろんスピアドラゴンなどの貫通系1900モンスターについてはこの限りではないですが。

 

とりあえず3枚ぶち込んでおけばそれなりに手札にはきます。逆に、サーチできないほうがウィッチサーチで迷うことが少なくなり、プレイングミスを減らせたりするかもしれません。

サーチできない1900モンスター、そういった意味では注目の登場といったところでしょう。

 

9月16日

 

第7回「サイクロン」

 

なぜこのカードは強いのでしょうか。なぜこのカードは制限でもなく準制限でもないというのに、皆2枚、時には3枚投入するのでしょうか。

数あるカードの中で、このカードだけは異彩を放っていると言わざるを得ません。

いったいなぜこのカードが玄人に好まれるのか、その理由を簡単に述べてみたいと思います。

 

…意外に思われるかもしれませんが、このカードの「強さ」は、その「弱さ」にあります。

なんのこっちゃって感じですが、つまりはこういうことです。

「伏せておいたサイクロンをサイクロン(大嵐)で破壊されたとき、悔しいと思いますか?」

 

これです。全てはこれにつきます。

もしミラフォを、筒を、大嵐やサイクロンで破壊されたらたまったものではありません。

しかし、これがサイクロンであれば、「まぁ破壊されたけどサイクロンだし、相手も手札1枚使ったし…」となるのではないでしょうか。

つまり、破壊されても怖くないカードなのです。

破壊されても怖くないのですから、どんどん伏せることができます。

しかし、では効果は薄いのかというと決してそんなことはありません。

エンドサイクに代表されるテクニックはもちろん、相手の永続罠へのチェーンで効果を無効化(勅命、リビング等)、埋葬、強奪の破壊………等々、数えればキリがないほどの役割を担っているカードです。

これだけ使えるのに制限がかかっていないのは、3枚投入されていてもデュエルの大筋には支障をきたさないからだと思われます。

その多くが制限、準制限カードで占められている現在主流のデッキ陣の中にあって、このカードだけが異質なのはそういうわけなのです。

 

ところで、このカードの本当の強さは、ただの1:1の取引では終わらないところにあります。

先ほど述べたエンドサイクはもちろん、埋葬、強奪の破壊にしても、1:1の取引なんですが、そのいずれも効果を出させずに破壊しているというところがミソですね。

エンドサイクにより、相手のチェーン可能な罠、魔法をつぶす…。もしこのテクニックがなければ、サイクロンの需要は一気に減るでしょう。

1:1なら確実に損はしませんし、エンドサイクで効果を出させないのであれば、その取引は確実に勝ちといえます。

精神的なプラスアルファも大きいでしょう。発動できるはずの罠、魔法が発動できなくなるのですから。

 

また、仮にショッカーを出して手札のない相手を攻め立てている時、後もう一息というところで羊を引かれてしのがれたという経験はありませんか?

強奪を引かれて逆にやられたという経験はないでしょうか。

そういった最後の反撃さえも封じるのがサイクロンの役割でもあります。

つまり、場面によってはとどめにさえなるカードなのです。もちろん、逆にピンチの時に引くとただのブラフ(はったり)にしかなりません。

 

サイクロンとは、すなわち使いどころによってはブラフであり、まったく役に立たないカードでもあり、そして時には鬼にもなる、非常に流動的なカードと言えるのです。

3枚投入可能なので、その気になれば高確率で引くこともできます。

サイクロンがどう化けるか、それこそが、現代デュエルの鍵を握っているといっても過言ではないでしょう。

 

9月14日

 

第6回「ブレイドナイト」

 

アジアチャンプがサイドデッキに入れていたことで俄然注目を浴び始めた(?)このカード。

コラムのほうでも述べた通り、スタンダード等に入れるには少々微妙さがつきまとうモンスターでもあります。

1600という攻撃力、リバモン無効、そして手札1枚以下時の攻撃力アップ…。

増援サーチできるということを除けば確かに微妙すぎるカードなんですが、こうとらえてみてはどうでしょうか。

ブレイドナイトは、攻撃力2000の☆4モンスターである、と。

 

何を言い出すんだ、ブレイドナイトは1600だろうが、と言われるかもしれません。確かにその通りです。元は1600です。

普通に手札1枚以下になったときはまず勝てないときです。しかし、考えてみてください。

 

ブレイドナイトこそ、数少ないハンデス対策モンスターカードといえるのではないでしょうか。

ハンデスは、相手の手札を減らしますが、加えて自らの手札を減らすことにもつながるのは知っての通りです。

つまり、お互い手札が切れた状態になりやすい…。

これが何を意味するのか。そう、ブレイドナイトは、対ハンデスにおいては無条件で攻撃力2000モンスターとして扱えるということではないでしょうか。

だったら1900モンスターを入れればいいじゃないか!と思われるかもしれません。

しかしですよ、考えてみてもください。OCGにおいて、2000というのは、一つのキーとなる数字なのです。

1900モンスターで倒せない守備力2000モンスターが非常にやっかいだと思ったことはありませんか?これはつまり、2000という数字があるボーダーラインを担っていることを示しています。

例を挙げると、タイタンです。相手ターンのバトルフェイズのみ攻撃力が2000に達する壁モンスター、タイタン。あれを出されたがために、攻撃できなかったという場面を経験したことはないでしょうか。

つまり、2000という数字は十分壁になりうる数値なのです。これが1900ですと、あっさり相殺されますからアタッカーにはなっても壁にはなりえません。

ただ壁ならゴブリン突撃部隊でいいのですが、壁を作るだけでは相手に手札をためる余地を与えてしまいます。対ハンデス時には、積極的に相手モンスターを殴りにいきたいところ。そういった意味で、ブレイドナイトは非常に優秀な壁兼アタッカーとして活躍が見込めるわけです。

 

というわけで、相手がハンデスだとわかったらサイドからこいつをメインに入れ替えるのも面白いでしょう。

また、現在は非常にハンデスが流行っていますから、対策の一つとして、最初からメインに入れておくのも面白いかもしれませんね。

 

9月13日

 

第5回「ゴブリン突撃部隊」

 

カードゲームには必ず流行りというものがありますが、その流行に流されるモンスターの一つが、このゴブリン突撃部隊です。

現在、このカードの人気はおそらく落ちているものと思われます。理由は簡単、アジアチャンプが入れてなかったから、です。

 

実は、確かにゴブリン突撃部隊は発売当初と比べ、段々と敬遠されがちになってきているのです。その最大の理由は早すぎた埋葬と、破壊輪が制限されたことでしょう。

かつてスタンダードがパワーデッキだった頃は、早すぎた埋葬で呼び出して殴る一発屋として(埋葬は除去に弱いため、元々一発屋のゴブと相性が良い)、またはダイレクト攻撃した後破壊輪で爆破し、大ダメージを与えるフィニッシャーとして、ゴブリン突撃部隊はかなりの需要がありました(例えばゴブ召喚、埋葬ゴブ、殴る、破壊輪、とこれだけで2300×3=6900ダメージ)。

しかも、それまで最強だったヴォルスやヂェミナイ・エルフを唯一殴り倒せるモンスターとして、発売当初はかなりもてはやされたものです。

 

が、いかんせん一度攻撃してしまうと守備表示になり、1ターン何もできなくなるというデメリットもまた、最近注目されています。

 

LPよりも手札のアドバンテージを重視するようになりつつある昨今では、次のターンに確実に倒されるゴブリン突撃部隊は、LP的に優位に立てこそすれ、手札と場の数を保つ意味では決して有益なモンスターとはいえません。

特に遺言系を殴った時は一気にピンチに陥りますし、裏守備モンスターに攻撃しにくいのも弱点です。

 

何かこうして見ると弱点だらけのように見えますが、いやいや、ゴブリン突撃部隊はまだまだいけますよ!

アジアチャンプは確かに場のアドバンテージを保つという意味でゴブリンを入れていなかったかもしれません。しかし、今大会でもう一つの流行が生まれたことを、みなさんご存知でしょう。

そう、ヴァンパイア・ロードです。

攻撃力2000を誇り、なおかつピラミッド・タートルからダイレクトで場に出現するこの上級モンスターは、戦闘以外で死んだ場合に復活するという実にやっかいな効果を持っており、アンデットの流行もあってこれからどんどん普及してくると思われます。

 

そう、ゴブリン突撃部隊の新たなる役割は、このヴァンパイア・ロード退治としての役割なのです。

ゴブリン突撃部隊をのぞいては、ヴァンパイア・ロードを消し去ることができる下級モンスターは異次元の戦士ぐらいしか見当たりません。異次元の戦士も自爆アタックしなければなりませんから、決してそれが得策とはいえない場面も多いのです。

倒しても倒しても出てくるロードを消滅させるための新たな対抗カードとして、ゴブリン突撃部隊は再び脚光を浴びるのかもしれません。

 

…え?守備になった後の処理?

そんなもん、強制転移で相手にくれてやりましょう。

ガンバレ!ゴブリン突撃部隊!2枚積み必須時代の栄光を取り戻せ!

 

9月12日

 

第4回「巨大ネズミ」

 

数ある遺言系モンスターの中でも、地属性を呼べるモンスターとして重宝される巨大ネズミ。今回斬るのはこのカードです。

さてさて、この巨大ネズミなんですが、なぜ他の遺言系を差し置いてこのコーナーに登場したのか。

それはつまり、他の遺言系と巨大ネズミが一線を画しているからに他ありません。

 

結論から言いましょう。

遺言系モンスターの中で、巨大ネズミは最強です。

…とか言うと語弊があるかもしれないので、こう言い換えましょう。

巨大ネズミほど殴りにくい遺言系モンスターはいない、と。

 

以前の戦記で、こう述べました。

「遺言系は恐れず、出てこなくなるまで殴ればいい」。

これは確かに、トマトやモモンガ、グリズリーなどの遺言系に関しては正論だと自分で勝手に思っています。

いくら殴ると次が出てくるからって、殴らずに除去魔法を待っていては相手の思う壷、デュエルがスローペースになり、決め手を与えてしまうことになります。

遺言系の真の強さは、殴られても問題ないが、そう相手に思わせることで精神的に拘束できるところにある、と、僕は思っているわけです。

ということはその裏をかく、つまり、恐れずにガンガン殴ってやれば、案外遺言系はあっさりと堕ちます。通常デッキに3種類以上の遺言系が入っていることはめったにないため、出なくなるまで殴ればあとは普通のデュエルと同じです。

ん?デッキ圧縮の手伝いになる?それは元々デッキ圧縮のために遺言系を入れているのですから仕方ありません。圧縮されてもかまわず殴り倒したほうが早いです。

 

さて、ここまで踏まえた上で考えてみると、トマトやモモンガなんかは比較的楽に殴れるわけですね(表示が変わるモン除く)。倒したところでこっちのモンスターが減るわけではないですから。

しかしですよ、この出なくなるまで殴ればいいという理屈は、巨大ネズミに関しては通じないのです。

なぜか?巨大ネズミを殴ったときに出てくるモンスターを考えてみればわかります。

お注射天使リリーを筆頭に、異次元の戦士ならず者傭兵部隊…等々、一癖もふた癖もあるモンスターが目白押しです。

例えばリリーが出ると、序盤ではそれ以上殴るのは困難ですし、異次元の戦士が出ると攻撃が止まってしまいます。最後にならずを出されると、次のターンで確実に破壊されますね。

このように、特殊な能力を秘めたモンスターが多い地属性においては、巨大ネズミを殴ったときに出てくるモンスターが、他の属性に比べて脅威になりやすいわけです。

 

目を閉じて考えてみてください。

巨大ネズミ、キラー・トマト、グリズリーマザー、ドラゴンフライ、UFOタートル…どれが一番殴りにくいでしょうか?

感覚的に巨大ネズミなのではないかと思います。もちろんこれは僕の感覚ではありますが。

 

つまり、巨大ネズミが最強と言った最大の理由はそこにあるのです。

遺言系への最大の対処法である「出なくなるまで殴る」のが、一番通じにくい遺言系であること。

さらには、最近流行りの異次元の狂獣に、裏の状態で殴られても安全という高い守備力(1450)も見逃せない利点ですね。

また、俗に言うトマト合戦(1400の攻撃力を持った遺言系同士で殴り合い、どちらかが尽きるまで続ける戦い)でも、リリーや異次元の戦士を出せる分、ネズミは有利です。

 

「殴っちゃダメだ」

相手にそう思わせることができれば、遺言系の役割は十二分に果たしていると言えるのです。

 

9月11日

 

第3回「精霊の鏡」

 

アジアチャンプがハンデスを使っていたことで、再びハンデス熱が再燃しています。

特に先攻で魔法を無差別に使えるOCGにおいて、先攻ハンデス魔法の連発はもはや鬼としか言いようがありません。

そんなハンデスに対抗しようと、この精霊の鏡をメイン、またはサイドに投入されている方も多いのではないでしょうか。

しかし、この精霊の鏡、実はハンデス対策になっているようでなっていないのです。

 

ハンデス魔法を返せるんだから対策になるだろう!とお思いの方、その意見はごもっともです。しかし、少し考えてみてください。

精霊の鏡といえど、先攻を取らなければ伏せることはできないのです。

当たり前のことですが、相手に先攻を取られて双子悪魔や強引な番兵を連発されると、いかに精霊の鏡といえどもどうしようもありません。

しかも、鏡で返すべき魔法は通常、強欲な壷、天使の施し2枚、双子悪魔、番兵、押収の6枚です。相手に先攻を取られると、かなりの高確率でこのうちのどれかが初手にきているわけですね。ということは、鏡を伏せる前にこれらのカードを使われてしまうと、対策どころか烏ロックのためのカモにさえなりかねないわけです。

すなわち、精霊の鏡が本当に強いのは、先攻時に伏せておいた時、なのです。

後攻でも先ほど述べた条件は同じですから、高確率で6枚のうち1枚は初手にきていると予想されます。そうなると、精霊の鏡を伏せておくことで相手の魔法を返す確率はかなり高くなると思いませんか?

もはやハンデス魔法が必須化している現代、先攻で鏡を伏せておけば、それなりの確率で発動させることができるわけです。

 

やっぱり強いんじゃないか!とお怒りの方、もう一度よく読んでみてください。

先攻時に伏せた鏡はとてつもない威力を発揮する可能性を秘めていますが、後攻時の鏡には期待できないのです。

はたして、先攻ハンデス絶対有利な現代で、精霊の鏡はハンデス対策になっているのでしょうか?

…なっていませんね。先攻ハンデスに対抗できてこそハンデス対策カードと言えるのです。先攻で伏せなければハンデス対策にならないカードは、本当の意味でハンデス対策できているとはいえません。

スタンダードで鏡が敬遠されがちなのは、実はこの不自由さにあるのです。

 

先攻でこそ力を発揮するカード…それはすなわち「攻め」のカードです。つまり、精霊の鏡はハンデス対策カードではなく、むしろ鏡自身が双子、押収、番兵などと同じ、ハンデスカードといえるのです。

 

後攻でも力を発揮できるハンデス対策カードと言えば、残念ながらポッド系ぐらいしか現在では見当たりません。先攻ハンデスを駆逐するには、とにかくアドバンテージを取り、かく乱していく必要があります。

 

以上のことを踏まえると、

精霊の鏡は先攻時のハンデスをさらに確実に決めるための補助カードとして最適な罠である。

という結論を出すことができます。

 

しかし、当然ながら相手がドロー魔法、ハンデス魔法を使い切った後では効果を発揮できません。その点では、鏡を入れる前にハンデス魔法を全部入れたほうが効率がいいといえるでしょう。

ハンデス魔法を入れてもなおスペースが空いたなら、鏡の投入を検討されてはいかがでしょうか。

 

9月8日

 

第2回「抹殺の使徒」

 

さて、前回述べた考え方でいくと、この抹殺の使徒も1:1の交換。ならデッキには必要ないんじゃないか、と思われる方もいると思います。

しかしそれはちょっと違います。

確かに使いどころが限定されるという点では同じなんですが、ポイントは地割れが表表示であるのに大して、抹殺が裏守備表示のみ対象という点です。

なぜなら、裏守備は怖いのです。

デュエルを続けてきた方ならわかるでしょうが、裏守備モンスターや裏でセットされたリバースカードの恐ろしいところは、あれはなんなんだろう?とこちらが思ってしまう、いわば精神的な不安をもたらすところです。

表モンスターを破壊する地割れと決定的に違う点が、その部分ですね。つまり、精神的なプラスアルファが見込める、ということです。

しかも、デュエルから取り除ける。これは大きいです。ただ単に破壊だけであれば、ウィッチやクリッターに当たったときのショックは大きいですね。

取り除くなら、例えばそれが何であっても効果の発動は阻止できます(ちなみに同名カードを〜という効果のほうはオマケです)。

この確実さと、裏守備に対する恐れがごちゃ混ぜになって使徒の必要性を高めているわけです。

 

ただし、だからといってデッキに突っ込めばいいというものではありません。当然のことながら、表には使えないので事故の元になりえますから。

自分のデッキが相手に裏守備を誘うようなデッキかどうかをしっかりと判断して投入することが必要でしょう。

例えばACSアジアチャンプのデッキには抹殺の使徒は入っていませんでした。

これは、ロードの安定した守備力に絶大な信頼を置いた結果だと思われます(個人的には1枚入れていても良かったかなと思いますが)。

いかに強力なカードといえど、使いどころが限定されてしまっては手札に腐ることもある。

それを見極めた上で、抹殺の使徒を投入するかどうかを決めましょう。

 

9月4日

 

スタンダードその他のデッキで活躍するカードってありますよね。必須カードは当然として、微妙なカードってあると思うんです。

そんなカードたちを勝手に検証する新コーナー「メサイアが斬る!」(パクリ)をお届けしたいと思います。

 

第1回「地割れ」

 

微妙です。激しく微妙なカードです。入れるも入れないも自由、と言いたいところですが…。

今の僕的には入れません。

確かにノーコストなのは強いのですが、これに変わる除去があるのであれば無理に入れることはないと思われます(転移やならず等)。

序盤でこれを使い、除去して攻撃すると、ダメージ的には優位に立てるのですが、手札的には自分の失ったカード:相手が失ったカード=1:1ということになり、アドバンテージを取れないわけです(1:1は地割れと相手モン)。

ところが、これが1900モンで相手モンを破壊ということになりますと、単純に1:0というアドバンテージが生まれます。ダメージ的にはたいしたことがなくても、アドバンテージを取れるほうが序盤では有利です。

しかし、1900モンが少ないデッキでは、殴ってアドバンテージを取ることが難しくなります。そうなると、地割れで相手モンを破壊する必要が出てくるかもしれません。

 

というわけで、低攻撃力モンスターが多いデッキにはサポートとして入れてもいいかな、ぐらいなカードだと僕は思います。

 

え?トマトを無条件につぶせるのが大きい?

遺言系を恐れてはいけません。遺言系は出なくなるまで殴ればいいのです。


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